
| 矢倉市子は記憶を失い、夜見島を彷徨っていた。
「はぁはぁ・・・、変なのがいっぱいで怖いよぅ・・・」
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| 「ここらへんなら隠れられるかな・・・。ここで少し休もうっと、はぁ・・・」
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| 「やぁ、おぢょうさん。ここで何をしているのかな? じぃぃぃぃぃ」
「差し支えなければ、もう少し足を開いて頂けるとおぢさんはとても嬉しいんだよ。 じぃぃぃぃぃ」
「ああ、おぢさんはおまわりさんなんだ。おぢょうさんを守ってあげることができるよ。 じぃぃぃぃぃ」
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| 「・・・え? ひっ! い、いつのまに・・・」
「怖がらなくてもいいんだよ、おぢょうさん。 じぃぃぃぃぃ」
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| 「(こ、この人普通じゃないわっ! に、逃げなきゃ・・・)」
「あっ! 逃げる気かっ! 逃げたって、どこまでも追いかけるぞっ! おぢさんはちうがくせいが大好きなんだからなっ! 」
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| 「はぁはぁはぁ・・・、なんとか巻くことができたわ・・・。途中に居た変なのとあのおまわりさんが揉みあいにならなかったら、逃げ切れなかったかも・・・」
「ここには変なのばっかりでもう嫌。早くここから逃げ出したいよ・・・」
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| 「でもこうして、いつまでも隠れているわけにはいかないわね。あの執着心はハンパじゃないからそのうち見つかってしまうわ」
「でも大丈夫! いくらおまわりさんが拳銃でわたしを脅かしたって平気よ!わたしにはコレがあるんだから!」
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| 矢倉市子は変なのと藤田茂(自称:おぢさん)との揉みあいのどさくさで自動小銃をゲットしていた!
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| 「うふふ、おまわりさんはわたしがコレを手にしたことに気がついていないはずよ」
「攻撃は最大の防御って言うし、まずはおまわりさんをおびき寄せて、スカートの中に気を取られている隙を見てぶっ殺すしかないわ」
「ちょっと恥ずかしいけど、この状況を打破する術は他にはないもんね・・・はぁ」
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| 「(・・・来た! 変なのを片付けてきたのね。思ったより手強いかも・・・)」
「はぁはぁ、おぢょうさんは足が速いなぁ。おぢさん追いかけるのに疲れちゃったよ、はぁはぁ」
「・・・」
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| 「はぁはぁ、足をぴったり揃えておぢょうさんはお行儀がいいんだなぁ。もう少し楽にしてもいいんじゃないかい? はぁはぁ」
「・・・うん、じゃあ体育座りで休もうかな」
「ああ、それはいいねぇ。それはとてもいい座りかただねぇ。 じぃぃぃぃぃ」
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| 「息を荒げて見てんじゃねぇよ、このクソゲスキモ野郎! 死ねや!!!」
タタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタ
「ぐぎゃあああああぁあっぁあっぁぁあぁぁ!」
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| 「あっ! 弾切れ」
「ぁ・・・ぁ・・・ぉ、おぢょう・・・さん。ぃ・・・ぃたいじゃなぃか・・・」
体中に銃弾を浴びた藤田茂は昼寝から目覚めたかのように、むっくりと起き上がった。
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| 「えぇっ! な、なんで生きてるの!?」
「はぁはぁ、あぁ、痛いよ・・・。こんな悪いことをする子には、おしおきが必要だね」
「おぢさんの銃はね・・・ひとつじゃ・・・ないんだよ、はぁはぁ」
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| 「そういうキモイ事を言うゲス野郎は、銃弾でミンチになった内臓と飛び散った自分のビチグソに塗れて死にさらせぇっ!!!!」
タタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタ
「ぱぎゃああぁっ! へぎゃっ! ぽぴゃらっ!!!」
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| 「あかん、また弾が無くなった」
「・・・ぉ、おじょうさんは、一体どこからカートリッジを、と、と、取り出したのかな? そんなものを隠してるなんて悪いことをしてちゃ駄目だよ。おぢさんが身体検査をして隠しているものを取り上げてあげるよっ。そうすれば、おぢょうさんは良い子になれるからねっ! はぁはぁ」
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| 「はぁはぁ、ぉ、おぢさんが満遍なく身体検査をしてあげるから服を脱ごうねっ! はぁはぁ」
「そんなことをされるくらいなら、ここから落ちて死んだほうがマシよ! やぁっ!」
藤田茂の手から逃れるように矢倉市子は身を宙に投げ出した。
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| しかし矢倉市子も尋常ではないようで高いところから落ちても無傷であった。
「わたしも・・・普通じゃないんだ。もう・・・どちらかが死ぬまで殺しあうしかないんだね・・・。よし!」
「おい、ゲス野郎。今度こそブチ殺してやっから、降りてこいや」
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| 「おぢょうさん! おぢさんの熱い想いを受け止めるんだなっ! うおおおおおおっ!」
そしてルパンダイブ失敗
「ぐっ・・・ぐぉおっ・・・ぉ、おぢょうさん・・・おぢさんの・・・おぢさんの・・・が・・・」
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| 「あら、もうひとつの銃が折れたのかしら? 殺してあげるから、さっさと立ちなさい、このクソが」
「おぢょうさん、おぢさんは・・・負けないよ・・・。だって、ちうがくせいが・・・だいちゅきなんだからね・・・」
そして戦いはエンドレスに陥っていくのであった。
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